M邸

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M邸は北海道函館市の、函館山と函館港に囲まれた重要伝統的建造物群保存地区に新築された個人住宅である。 「蔵」の様な佇まいを持ち、隣接する国指定重要文化財「太刀川家住宅店舗」と呼応する風景を創り出している。

幕末に開港した際に外国人居留地となったこの地区には西洋の文化が急速に流入し、和・洋の様式が融合した「和洋折衷」の建物や各国の旧領事館、教会群などが多く残っている。函館の代表的な観光地となっている反面、居住者の高齢化や空き家、空き地の増加など、日本の各所で起こっている、旧市街が抱える問題が顕在化している地域でもある。

そのような状況の中、今M邸では「個々の建物で表現を完結せず、隣接する建物との関係から風景的調和をはかってゆく」という方法を試みた。旧商家として堂々たる風格を残す旧太刀川家の隣で「蔵」の役割を演じることで、連続した街並をもう一度とりもどすことができるのではないか?という試みである。

旧市街とはいえ、街は今も生きている。古くからの町並みを可能な限り保存することも重要だが、現代のライフスタイルにあった新たな建物を次の100年後を見据え、街並みになじむように挿入する工夫を積み重ねる努力も、一方では必要なのだと考えている。

所在地 : 北海道函館市
設計監理 : 髙田傑建築都市研究室
構造設計 : 株式会社ケイ・エス設計事務所
施工 : 株式会社前側建設
敷地面積 : 254.62㎡
建築面積 : 102.78㎡
延床面積 : 132.50㎡
構造規模 : 木造2階建
竣工 : 2014.10
     
第21回函館市都市景観賞受賞
     
(Link :  函館市都市景観賞