K邸formaggio

K邸新築工事1
K邸新築工事2
K邸新築工事3


何度目かの旧施主宅での打合せ時、リビングで遊ぶ子供の数がいつもより多いことに気づいた。よく見るとこの家の子ではなく、はじめて見る子供たちが奥さんからお菓子をもらって遊んでいる。
施主が地域の少年野球部の監督をしているこの家には、野球チームの子供たちやその友達らが、本当に当たり前のように遊びにくるのだ。

敷地は東京下町の、まだ古い家並みが多く残る住宅密集地である。夏祭りともなると、近所の子供たちが神輿を担ぎながら狭い路地を練り歩き、近くの小学校の運動場では父兄が主催する夜店が建ち並ぶ。そんな下町の原風景が色濃く残るこの場所に、地域コミュニティの中心となるような家を創りたいと思った。

接道する北側以外の3方向を囲まれた敷地に対し、1階部分に寝室や浴室周りを配し、2階をメインの生活空間とした。
緑化され、2階レベルに上げられた「コミュニティテラス」は、この家の住環境を良好に保ち、断熱性能にも貢献している。平日の放課後には子供たちの安全な遊び場であることはもちろん、週末には少年野球部の父兄も加わり賑やかさが絶えない。地域が共有する「空中庭園」をもつ住宅である。

所在地 : 東京都板橋区
設計監理 : 髙田傑建築都市研究室
構造設計 : 笹谷真通(ARUP Japan)
徳安義紀(TOK-TECH)
施工 : アイガー産業
敷地面積 : 100.91㎡
建築面積 : 66.25㎡
延床面積 : 100.20㎡
構造規模 : 木造2階建
竣工 : 2011.2