株式会社ハルキ 事務所棟kapatcir

株式会社ハルキ新築工事1
株式会社ハルキ新築工事2
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株式会社ハルキ事務所_(第36回)北海道赤レンガ建築賞奨励賞受賞パネル1
株式会社ハルキ事務所_(第36回)北海道赤レンガ建築賞奨励賞受賞パネル2


北海道森町にある製材・プレカット会社「株式会社ハルキ」の新しい事務所棟の計画。

ここ道南地域は杉の北限としても知られ、「道南杉」の呼び名で人々に親しまれている。中でも森町はカラマツ、トドマツ、スギの3樹種が生育する北海道内でも稀有な地域である。
この森町産材3樹種を適材適所使用した、木造平行弦トラスで5間(9.1m)のスパンを支える大屋根を構成している。

1階は事務室、CAD室を大部屋で配置した執務空間。各所吹抜けにて1階と繋がる2階には、キッチンを併設した多目的スペース「ヲニウシ・カフェ」を配置し、平時は打合せスペース・昼食時のランチルーム等として、夕方以降や休日には木育ワークショップやセミナーなどを開催する。

各部所間で適度な距離感は保ちつつ、大屋根が支えるワンルーム空間内では絶えず他者の気配を感じることができる。多様なシークエンスが社内の活気と一体感を育むような空間構成となっている。

外内部各所仕上げに同社が展開する道南杉製壁材を全種類使用した、ショールームとしての役割も合わせ持つ建築である。

近年、脱炭素化社会を目指す観点から、建築の木造化が世界規模で推進されている。
進むべき目標は世界共通であれども、実現に向けた取り組みは各国、各地域によって多様であるべきだと考える。地元木材の適性を知り、構法を簡略化し地元職人でも建設可能とすることで、建設コストの低減と広い意味での「地産地消」を目指した計画でもある。

冬季にオオワシが飛来するこの北の大地で、大きな翼を広げたこの建築は、今まさに「地域が目指すべき未来」に向けて飛び立とうとしているのかもしれない。

所在地 : 北海道茅部郡森町
設計監理
 意匠 : 髙田傑建築都市研究室
 構造 : 東京電機大学未来科学部建築学科笹谷研究室
宮原一級建築士事務所
施工 : 紀の國建設株式会社
敷地面積 : 55,041.11㎡
建築面積 : 451.84㎡
延床面積 : 476.99㎡
構造規模 : 木造2階建
竣工 : 2023.2
     

(Link : 株式会社ハルキ
(Link : 建設中の経過
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